この記事では、2021年にデジタル庁ができてからのe-TAX(Web版)の変化に期待を込め、しらかば堂が令和4年度の個人の確定申告を e-TAX(Web版) を2023/02/19に実際に使用してみた感じたポイント、感想をご紹介します。
e-TAX(Web版)サイトの具体的な中身については、書籍等であまり触れられていないように思いますので、読者の方にサイトの雰囲気や利用上の注意点について少しでも気づきがあれば幸いです。
ただ e-TAX(Wen版)を使用して感じたポイント、感想という記事の性質上
- 全ての画面を網羅しているわけではないこと
- 画面の出現順番について逆転している場合がありうること
についてはあらかじめご了承をお願いします。
目次
e-TAXとは何か?
e-Tax は、国税庁が提供しているインターネットを通じた税務手続きサービスです。
このe-TAXの利用には、マイナンバーカード等利用に先立っての準備が必要ですが、個人や法人が申告書を作成し、税金の支払いや還付金の受け取りなどを行うことができます。
このe-Taxを利用すると以下のようなメリットがあります。
- 申告書を手書きで作成する手間やミスを減らすことが可能。
- 納税や申告書の提出がオンラインで完了するため、紙の申告書を提出する手間や時間を省くことができ、税務署への出向きや書類の提出などの手続きが不要
- 確定申告書の提出期限に迫った際にも、混雑する税務署に足を運ぶ必要がなく、スムーズに手続きを行うことが可能なので、コロナ、インフルエンザ等の感染予防上も有効
- 税金の還付がある場合、マイナポータルに紐づけた公金受領口座への還付指定が可能
マイナポータルは国が提供するオンラインプラットフォームのことで
e-Taxや各種保険、税金や年金などの公的な手続きが行える「マイナポータル窓口」、個人の情報を管理する「マイデータ」、行政からの通知や警告情報を受け取ることができる「マイ通知」、国の政策や取組みに関する情報を得ることができる「マイポータルラボ」などのサービスがあります。
一方 2023/02/19 時点で このe-TAXソフト(WEB版)の画面構成は
- 同じような画面が何回も出てきたり
- 項目の詳細内容の参照で申告書作成サイト外にリダイレクトしてしまいデータ消失してしまったり
- その結果何度もログインさせられてしまったり
と、お世辞にも洗練されたものとは言えない部分があるので、この辺りは今後の改善に期待したいところです。
e-TAX(Web版)の利用準備
e-TAX(Web版)を使うためには、次の準備作業が必要です。
2023/02/19 時点ではカードリーダ利用のメリットはほとんど無いため、NFCリーダ機能を持ったモバイル端末の利用を強くお勧めします。
1. | PCやNFCリーダ機能を持ったモバイル端末の準備 | e-TAXはインターネットを通じて利用するため、PCやNFCリーダ機能を持ったモバイル端末などのインターネットに接続できる端末が必要です。 |
2. | マイナンバーカードの準備 | e-TAXを利用するためには、マイナンバーカードが必要です。 |
2. | e-TAX(Web版)の利用に必要なソフトウェアのインストール | e-TAX(Web版)を利用するには、特定のブラウザとe-TAX用のソフトウェアをインストールする必要があります。 |
3. | ネット銀行口座の用意 | e-TAXで納税や還付金の受取りをする場合、ゆうちょ銀行やその他のネット銀行口座を開設しておく必要があります。またマイナポータルに紐づいた「公金受領口座」が登録してあると還付金の受領を受ける際さらに便利です。 |
4. | 確定申告に必要な書類の準備 | e-TAXの利用に当たっては源泉徴収票、医療費控除を受けるための領収書等の確証等、申請にあたって必要な書類をあらかじめ手もとに準備しておく必要があります。 |
e-TAX(Web版)利用にあたっての注意
e-TAX(Web版)の利用にあたり特に以下の点に注意が必要です。
1. | マイナカードの読み込みにはカードリーダを使わずNFCリーダ機能を持ったモバイル端末を使う | ICカードリーダとEdge/Crome 拡張機能との相性が悪く、たびたび拡張機能のインストールを求められたあげく、マイナカードが読めない状況が発生するため マイナカードの読み込みにはカードリーダを使わずNFCリーダ機能を持ったモバイル端末を使うことが大切です。 |
2. | 確定申請書の作成に当たってはポイントポイントで必ずそこまでの作業結果を保存する | 確定申請書の作成の中でわからないことの詳細を確認するためにその情報の参照リンクを押すと、一般の(ログインが不要な)外部サイトへ画面遷移してしまい、元の画面に戻ってこれません。 それはつまり、再度マイナカードでログインしなければならないこと、ここまで入力してきたデータの喪失を意味するのでまた最初から入力し直すことになります。 従って、データはこまめに保存し、最悪その保存時点からのデータ入力再開ができるようにすることがとても重要です。 |
e-TAXでの大まかな確定申告手順
e-TAXでの大まかな確定申告手順は以下の通りです
1. | 利用者識別番号の取得 | e-TAXで確定申告をするためには、まずe-TAXサイト内で「e-TAXの開始届出書」というものを作成し、これを提出する必要があります。 |
2. | メッセージボックス等の確認 | e-TAXとのやり取りは「メッセージボックス」で行うため、上記「e-TAXの開始届出書」の受理確認等で必要に応じてメッセージボックスを確認します。 |
3. | 申請書を作成する | e-TAXで実際に申請書を作成し、払い戻し先口座登録、税務署への送付までを行います。 |
4. | 申請(届け出)を作成する | 現在は申請書の作成の流れの中で自動的に税務署への申請(届け出)が自動生成されます |
これらは以下の「各ソフト・コーナー」画面から選択しますが
この記事では
「利用者識別番号の取得」「メッセージボックス等の確認」「申請(届け出)を作成する」の説明は割愛し
「申請書を作成する」の部分についてのみ紹介します。
準備作業の具体的な情報については国税庁の利用の流れを参照ください。
e-TAX(Web版)での申告書作成手順の流れ
e-TAXへのログイン
e-TAX へログインするためにはまず国税庁の e-Tax サイト右上の「ログイン」ボタンをクリックします。
すると「メッセージボックスの確認」画面になるので、続けて右上の「各ソフト・コーナ」ボタンをクリックします。
するとさきほどご紹介した「各ソフト・コーナー」画面が現れます。
申請書を作成する
この「各ソフト・コーナー」画面で「確定申告書作成コーナー」のリンクをクリックすると以下のようなガイド画面になるので
必要に応じてこれらを参照し、詳細な手順を理解します。
すると以下のような画面が現れるので
右側の「e-TAXソフト(WEB版)へログインする」をクリックします。
すると次のような画面が現れるので
画面上部の「マイナンバーカードでログイン」をクリックします。
次にこのような画面が現れるので
画面中央の「マイナンバーカードの読み取り」をクリックします。
以降、画面の指示に従い
NFCリーダ機能を持ったモバイル端末でマイナンバーカードを読み取ると
「読み取り完了」ダイアログが現れるので「次へ」ボタンをクリックします。
すると「保存データ利用方法の選択」画面となりますので
- 過去の申告書データ、または途中で保存したデータ(いずれも拡張子が .data )がある場合は画面中央の「作成再開」ボタン
- 今回が初回の申請書作成の場合画面左側の「新規開始」ボタン
をクリックします。
最初は初回の令和4年度の個人確定申告なので「新規作成」をクリックします。
ただし末尾に添付のTwitter投稿のように
確定申請書の作成中に項目の詳細な意味を調べようと思ってサイト内の参照リンクをクリックすると、意図せず外部サイトへ画面遷移してしまい
「申告書の作成がほぼ終ってあとは税務署への送付のみ」といった状態でも、今までの記入データを全て失うといった残念な事態が起こります。
このような場合にはこの「作成再開」ボタンを起点として処理を再開するしかないので、以外にこのボタンも使う頻度が高いです。
すると「マイナポータル連携の選択」画面が現れるので
「連携しないで申告書等を作成する」をクリックします。
「マイナポータルと連携する」は「マイナポータル連携の概要・事前設定の方法」画面にあるように
令和5年以降マイナカードを健康保険証やお薬手帳の代替えとして使用する施策が普及したさい
医療費控除、ふるさと納税控除の申請でマイナポータル側に蓄積されたこれらのデータをこのe-TAX(Web版)で利用することを想定したボタンのようですが、令和4年時点ではまだ準備が進んでいないようです。
すると「作成する申告書の選択」画面が現れますので、読者の方の作成したい申告の内容に沿ったボタンをクリックします。
しらかば堂の場合は所得税の申告のみでしたので「所得税」をクリックしました。
すると「作成する申告書等の選択」画面が現れるので「令和4年分の申告書等の作成」を選択します。
令和4年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告コーナー
すると「令和4年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告コーナー」画面が現れますので「次へ進む」ボタンをクリックします。
すると次の画面が現れますのでここから所得の種類に応じた金額の入力・訂正・内容確認を対応項目の「入力する」ボタンをクリックして選択し、流れに沿って必要な入力項目を入力していきます。
しらかば堂の場合は給与所得の申請のみでしたので給与所得部分の「入力する」ボタンをクリックしました。
確定申告書データの保存・再開
所得等の個々の項目の入力画面の下のほうに「確定申告書データの保存」というリンクがあり、それをクリックすると以下のような画面が表示されますので、こまめに「入力中のデータをダウンロードする」ボタンをクリックして入力したデータを保存するようにしましょう。
末尾に添付のTwitter投稿のように
確定申請書の作成中に項目の詳細な意味を調べようと思ってサイト内の参照リンクをクリックすると、意図せず外部サイトへ画面遷移してしまい
「申告書の作成がほぼ終ってあとは税務署への送付のみ」といった状態でも、今までの記入データを全て失うといった残念な事態が起こりますので
こまめに「入力中のデータをダウンロードする」ボタンをクリックし、データを保存することは非常に重要です。
医療費控除の入力について
令和4年度のe-TAX(Web版)において特筆すべきは医療費控除の入力の際に以下の
- iryouhi_form_v3.xlsx
という入力用のExcelブックをダウンロードし、「医療費集計フォーム」シートに内容を記入後、これをアップロードすることで医療費に関する大量の入力が一気にできるようになったことです。
またこのフォームの中で医療費の支払い年月日の記入は任意となったため、領収書の日付入力が不要になり、入力効率が劇的に向上しています。
医療費を記入後、この iryouhi_form_v3.xlsx をアップロードすると、以下のようにこのブックの中の「医療費集計フォーム」シートの記入項目がこのサイトの記入値として自動設定されます。
この医療費控除の申告は昨年までWORD帳票に日付付きでデータを記入し、合計計算、e-TAXへの記入を手動でやっていた記憶があるので格段によくなった印象があります。
税金の還付金受取方法の選択
申告書の作成にかかる
- 収入金額・所得金額入力
- 所得控除入力
- 税額控除・その他の項目の入力
がすべて終了すると次のような画面となるので、ここで還付金の受取方法を指定します。
幸いなことに今年は還付金があったので次のような画面となりました。
またマイナポータルですでに公金受領口座の登録をしていたので「公金受取口座への振込」を選択しました。
申告書等の送信・印刷
申告書の送信
確定申告に関する全ての入力が完了すると、再度マイナンバーカードの読み取りを促され、この読み取りを完了すると以下のような画面が表示されるので、ここで「送信する」をクリックします。
すると以下の画面が表示されるので「閉じる」ボタンをクリックします。
すると以下のような画面が現れ「確定申告申請書」が正しく指定税務署へ送付されたことが確認できました。
申告書を送信した後の作業
申告書の送付・印刷等が終了したら次のような画面になりますので、「入力データを保存する」をクリックして今回作成した申請書データを保存しましょう。
保存後の 「r4syotoku (n).data」といったファイル名を「令和4年確定申告.data」といった名前に変更し、わかりやすいフォルダに保存しておくと来年の確定申告の際このデータをベースに申告ができるのでより便利になります。
まとめ
e-TAXは、電子申告による税金の納付や申告書の作成を簡便に行うシステムです。
e-TAXを利用する際には、マイナンバーカードの取得等、事前に必要な手続きがありますが、
これを利用によることにより
- 手書きで申告書を作成する手間やミスを減らすことができる
- オンラインでの納税や申告書の提出により時間や手間を大幅に削減できる
- 確定申告期限前の混雑を回避することができる
といった多くのメリットがあるため
- マイナンバーカードの読み込みにはを使う
- ポイントポイントでこまめに申請書を保存する
といった部分を理解したうえで、e-TAXの利用を検討してみる価値はあるかもしれません。
まだe-TAX(Web版)による確定申告を体験されていなイ読者の方におかれましては、令和5年にむけ、今から準備を始められてはいかがでしょうか。
この記事が少しでも読者の方のお役にたてれば幸いです。
特に今回、自分が便利に感じたのは
といった点でした。